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05.14.2025

Category賃貸不動産(個人向け)について

賃貸物件の初期費用について
〜何にどのくらいかかる?初期費用を抑えるポイントと初期費用を抑えるデメリット〜

賃貸物件契約時に借主が支払う初期費用の相場は一般的に「家賃(=賃料+管理費)の5〜6ヶ月分」と言われています。

つまり、家賃(=賃料+管理費)¥100,000のお部屋の場合の初期費用は、

☆¥500,000〜¥600,000程度

になることが多いということですね。

賃貸不動産仲介業を主力事業の一つとして行っている弊社が、

*初期費用でかかる項目は何があるのか。

*初期費用を抑えるために気をつけるポイントは何か。

*初期費用を抑えようとするがために発生するデメリットとは何か。

を各項目ごとに解説していきます。

 

《①敷金》

→退去時の修繕費に使われる預かり金です。退去時の部屋の状態に問題がなければ一部または全額が返金されます。

→敷金については、家賃の0〜2ヶ月程度が相場です。東京では多くの物件が「敷金1ヶ月」となっています。物件の図面に◯ヶ月分と記載があります。

→敷金ゼロの物件もありますので、初期費用を抑えたい場合は敷金ゼロ物件を探すのは有効です。しかし、現状回復費用や清掃代として退去時に支払が発生する可能性が大きくなる点には注意が必要です⚠

 

《②礼金》

→物件オーナーへの「お礼金」です。敷金と違って退去時に返金されません。

→礼金についても、家賃の0〜2ヶ月程度が相場です。東京では多くの物件が「礼金1ヶ月」となっています。物件の図面に◯ヶ月分と記載があります。

→礼金も敷金と同様でゼロの物件もありますので、初期費用を抑えたい場合は有効ですが、礼金ゼロの物件は人気があまりなく空室が続いている”不人気物件”であることも多いです。

→礼金ゼロの物件は物件オーナ—が収入としてもらえる礼金を手放してでも空室を埋めたいということですからね。

→逆に言うと礼金が賃料の2ヶ月以上という物件は超人気物件の可能性が高いので、他にも入居したいという人が多いはず。気に入ったらすぐに申込を入れましょう。

☆初期費用を抑えたいがために敷金・礼金ゼロの物件にこだわっていると、物件数が相当絞られてしまいます。

(敷金・礼金ゼロで多くの人がいいなと思う物件は滅多に出てこない)

ので、”暮らしやすい良い物件を見つける”という視点からは敷金・礼金ゼロの物件”だけ”を探すのはオススメ出来ません。

 

《③家賃保証会社保証料》

→家賃保証会社に支払う費用です。連帯保証人の代わりになるシステムで、現在の賃貸物件はほとんどが家賃保証会社を利用する必要があります。

→相場としては家賃の50%〜100%程度です。物件オーナー指定の家賃保証会社への加入が必須な場合がほとんどです。

 

《④火災保険料》

→賃貸物件を借りる上で、入居者が火災保険に加入することは必須です。

→相場としては家賃の¥15,000〜¥30,000程度です。物件オーナー指定の火災保険会社への加入が多いです。

 

《⑤鍵交換費用》

→セキュリティー面を考慮して、玄関ドアの鍵を交換する必要があります。

→鍵の種類によって金額が変わりますが、¥20,000〜¥30,000程度が相場です。

 

《⑥仲介手数料》

→不動産会社に支払う手数料です。(家賃の1ヶ月+税)

→仲介手数料に関しては、無料や割引を謳っている不動産会社もたくさんありますが、その場合は提案する物件が事前に絞り込まれている。すなわち「あるはずの物件が無いことにされている」ことが多々あります。

→借主から仲介手数料を取らないということが出来るのは、「物件オーナー側から成約の手数料が出る物件だけ」に絞り込んで提案している場合がほとんどだからです。

 

《⑦前家賃(=賃料+管理費)》

→当月の日割り分と翌月1ヶ月分の家賃(=賃料+管理費)が初期費用として請求されます。

→当月の日割りの部分に関しては、☆契約日=賃料発生日を月末に近づければ近づけるほど金額を小さく出来るので覚えておきましょう。

例)賃料¥90,000・管理費¥10,000=合計¥100,000の物件の場合、

 

[1]  6月1日に契約の場合:1日〜30日までの30日分+翌月1ヶ月分=2ヶ月分の前家賃が初期費用としてかかる。

¥100,000(6月分)
+
¥100,000(7月分)
—————————
合計:¥200,000

 

[2]  6月30日に契約の場合:30日の1日分+翌月1ヶ月分=1ヶ月+1日分の前家賃で済みます。

¥100,000÷30日=¥3,333(6月日割り分)
+
¥100,000(7月分)
—————————
合計:¥103,333

([1]と[2]で¥96,667の差に!)

 

繰り返しとなりますが、

☆契約日=賃料発生日を月末に近づければ近づけるほど初期費用として支払う前家賃の金額を小さく出来るので覚えておきましょう。

ただし、物件オーナー側はできるだけ早く契約を交わしたいので、契約日=賃料発生日に関しては、審査通過後7日〜長くても14日くらいが一つの目安になります。

「審査通過後最短の契約日でお願いします」という物件もありますので、そのあたりは事前に不動産仲介会社を通して確認しておきましょう。

 

以上が、賃貸物件を借りる際にベーシックに掛かってくる初期費用です。

物件や管理会社さんによってはそれ以外の項目として、

 

*24時間駆けつけサービス

→相場として¥15,000〜¥25,000程度。(2年間)

*書類作成代

→こちらを請求される会社さんは弊社の経験的な相場で行くと¥5,500〜¥16,500程度のイメージです。

*除菌消臭代

→こちらを請求される会社さんは弊社の経験的な相場で行くと¥15,000程度のイメージです。

 

といったあたりが追加される場合もあります。

逆に「フリーレント」といって、1ヶ月分の家賃をゼロにするので入居してください!という物件もあります。

フリーレントがついている場合は初期費用の前家賃からフリーレント分が引かれることがほとんどなので、初期費用を抑えたい場合は非常に有効です。

ただし、フリーレント付きの物件は滅多にないのでついていたらラッキーくらいに考えておいたほうが良いのと、

礼金の項目で触れた内容と同様で、物件オーナ—がなんとしても空室を埋めたい物件(=あまり人気が無い物件)ということになります。

 

《まとめ》

☆初期費用を抑えたいならば契約日を月末に近づけると◎

☆敷金・礼金ゼロの物件は初期費用は大きく抑えることが出来ますが、それにこだわりすぎると「良い物件が見つからない…」という事になりかねないのでご注意を⚠

☆「フリーレント」はついていたら超ラッキー◎(ただし、不人気物件の可能性もあるのでしっかり内覧して現地を確かめることが重要です)

最後に初期費用の例として、見積書のサンプルを見てみましょう。

☆賃料¥90,000・管理費¥10,000=総家賃合計¥100,000で敷金1ヶ月・礼金1ヶ月の物件

 

[1] 月末(6月30日)契約開始の場合

[2] 月初(6月1日)契約開始の場合

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