今回は、『引越前日から当日にやるべきこと』について解説していきます。
1. 鍵はいつ受け取れる?
2. 鍵の受取日と荷物運搬日について
3. 荷物を搬入する前にやっておきたいこと
順を追って見ていきましょう。
《1. 鍵はいつ受け取れる?》
鍵は基本的に契約開始日(=賃料発生日)に受け取るのが原則です。6月4日が契約開始日となっていれば、6月4日当日から鍵を受け取ることが出来ます。
鍵の受け渡し日を後ろ倒しにすることは可能ですが、引越当月の家賃は「日割り」で契約開始日から発生するので注意が必要です。
引越を朝早くから行う場合、不動産会社が営業している時間の鍵渡しだと間に合わないことがあります。
その場合には、前日に鍵を受け取ることができないか不動産仲介会社に相談しましょう。
多くの場合、前日の夕方以降であれば受取が可能となっています。
ただし、部屋に入室出来るのは契約開始日からとなりますので、鍵を受け取ったからといって、契約開始の前日に入室して作業を行うのはやめましょう。事故や物件・設備にキズ等が発生した場合に大きなトラブルになります。
一方で、契約日以前であっても、採寸など、適切な理由があれば一時的に部屋の鍵を開けてもらえる場合が多くなっているので、不動産仲介会社に相談しましょう。
《2. 鍵の受取日と荷物搬入日について》
鍵の受取が可能になるのは基本的には『契約開始日』と前述しました。
また、日割り家賃のことを考えると”鍵を受け取ったその日”に引越業者に荷物を搬入してもらうのが経済的には最も効率的です。
しかし、不動産のプロの目線からすると、荷物搬入日の1日前に契約開始日を設定しておくことをオススメします。
例えば、6月4日に引越業者に荷物の搬入をお願いしていたとしたら、6月3日に契約開始日を設定して、鍵を受取、6月3日には室内に入って作業が出来るようにしておくのが良いということです。
理由は、『荷物を搬入する前にやっておきたいこと』がいくつもあるからです。詳しくは次の項目で解説いたします。
《3. 荷物を搬入する前にやっておきたいこと》
① 入居時チェックを荷物の搬入前に丹念に行うことで、退去時のトラブルを避けられる
→ 新居に入居したら、まず最初に部屋の状態を確認しておきましょう。物件によっては、生活に支障をきたさない程度の傷や汚れがあることがあります。また、何年も使用されている設備では、老朽化による不具合が生じていることもあります。
→ 仮に不具合があった場合に、そのまま放置しておくと「入居時から発生していたものか?」「あとから入居者が発生させたものか?」といった点がわからなくなり、退去時に不動産会社や大家さんと敷金精算で揉めてしまうケースも少なくありません。
→ 一般的な不動産会社では、部屋の契約時に「入居時チェックリスト」を紙で渡されます。これは、入居時の部屋の状態を記録しておくためのものです。
→ 入居時チェックリストは、チェックが完了して記入を終えたら不動産会社に返送することがほとんどです。退去時のトラブルを避けるためには、入居時チェックリストのコピーを取り、チェックリストの内容を手元に残しておくことをオススメします。
→ 入居時チェックでは、部屋の状態を確実に記録しておくことが重要です。もしも室内に不具合があれば、必ず写真を撮っておきましょう。不動産会社や大家さんに説明する際の証拠になります。
→ 入居時チェックの結果を伝える際は、送信日時と内容が残るメールを利用するのもおすすめです。室内の状態を記録した写真をメールに添付して送り、誤って消さないように大切に保存しておきましょう。
② 荷物搬入の前日に『くん煙タイプの防虫・防カビ剤』を炊くことで、虫害・カビを抑えることができる
→ 害虫やカビに関するトラブルを防ぐためには、入居直後(家具家電を置く前)の対策がオススメです。
→ カビの被害に遭いやすいお風呂場には、防カビくん煙剤や浴室用のマスキングテープなどを使用しましょう。カビが発生する前に対策することが大切です。
→ 害虫対策のためには、部屋に荷物がないうちに防虫用のくん煙剤(バルサン等)を使ったり、置きえさタイプの防虫剤を設置しておくことをオススメします。
→ また、室内のすきまを埋めるなどで外からの侵入を防ぐのも有効な方法です。エアコンの排水ホースにも、専用の防虫キャップを取り付けておきましょう。
③ 重たい家具の下に床を保護するシートを敷くことで、床を傷つけてしまうリスクを減らすことができる
→ 冷蔵庫や棚などを同じ場所に置き続けていると、床に傷がつきやすくなってしまいます。特に賃貸の場合、床が傷ついていると退去時に修理費を払わなければいけないこともあります。
→ それを防ぐためには、重さのある家具の下にシートを敷くのがオススメです。家具を設置してからシートを敷くのは大変ですので、荷物搬入の前にあらかじめ準備しておくと良いです。
引っ越したばかりの何もない状態の部屋だからこそ、家具・家電に隠れがちな部分まで準備が可能です。
部屋をきれいに保って掃除が楽になるだけでなく、害虫・カビ・汚れ・キズなどのトラブルを防ぐためにも荷物搬入前の準備が役立ちます。
これが荷物搬入日の1日前に契約開始日を設定しておくことをオススメする理由です。
日割り家賃が1日分多くかかってしまいますが、部屋のメンテナンスが楽になるのと、傷や汚れなどトラブルになりやすい点を先回りして防ぐことで、退去時に原状回復費用がかかってしまうリスクを減らすことが出来ます。
是非、荷物搬入の1日前に万全の準備をして引越を迎えていただければと思います。
Column
05.14.2025
Category賃貸不動産(個人向け)について